こねこのミヌー

  • こねこのミヌー
  • こねこのミヌー
  • こねこのミヌー
  • こねこのミヌー
  • こねこのミヌー

女の子はいなくなった子猫を必死でさがしまわりますが、見つかりません……。世代を越えて愛される、フランソワーズのあたたかく、親しみやすい絵本です。

きしだえりこ・やく
フランソワーズ・さく
定価:1300円+税
ISBN:978-4-931129-45-0
サイズ:26×21cm
ページ数:32p
対象年齢:3歳から
2005年刊

『こねこのミヌー』によせて

今からちょうど50年前に、『まりーちゃんとひつじ』という、かわいらしい絵本が、日本に紹介されました。こどもばかりではなく、おとなもとりこにする、幸せな絵本でした。
『こねこのミヌー』は、いなくなったねこを、女の子がさがしまわるお話なので、女の子の不安感が伝わってきてどきどきしますが、そのぶん、戻ってきたねこをみつけたときの女の子の喜びが想像できます。さいごの場面でミヌーはちゃんと川岸にいるのに、ネネットはまだ気がつきません。ここが本当にフランソワーズらしい終わり方です。でも、このあとすぐ……何秒かあとに、ミヌーは女の子に抱かれているでしょう。フランソワーズの絵本んは、母国のフランスの風土、文化が下地にあって、子どもと動物たちの交流が描かれています。この絵本でも、文は、歌うようにやさしく流れ、絵はセーヌ川の奈美にせよ、スープの湯気にせよ、単純かされた線と美しい色使いで、子どもと共有できるものだけをあたたかく描いてあります。
ミヌーという名は、フランスではねこそのもの、「にゃんこ」とか「こねこちゃん」という愛称でもあります。聞き慣れない子どもたちのために、タイトルは『こねこのミヌー』としました。

著者紹介

<やく> きしだえりこ

東京に生まれる。東京芸術大学油絵科卒業。詩人、童話作家。「かえってきたきつね」で産経児童出版文化賞大賞を受賞。絵本に「かばくん」「ジオジオのかんむり」「きょうのおべんとうなんだろな」、子ども向けの詩集に「へんなかくれんぼ」「木いちごつみ」「かぞえうたのほん」、詩集に「ソナチネの木」「いそがなくてもいいんだよ」、エッセイ集に「風にいろをつけたひとだれ」「草色の切符を買って」などのほか翻訳の童話や絵本も多数ある。

<さく> フランソワーズ

1897年、フランス生まれ。パリの児童と初出版社につとめた後、アメリカに留学。アメリカで多くの絵本を刊行する。絵本に「まりーちゃんとひつじ」「まりーちゃんのクリスマス」(以上岩波書店)「まりーちゃんとおおあめ」(福音館書店)「まりーちゃんとおまつり」「コレットちゃんはおかあさん」「ロバの子シュシュ」「ねずみのちょびちょびサーカスのスターになる」「みみちゃんとヤギのビケット」「たのしいABC」(以上徳間書店)などがある。ニューヨークタイムズ紙年間絵本賞、ニューヨークヘラルドビューン紙賞などを受賞。絵を描くことが生涯の喜びだった。1961年没。

PageTop