2023年7月28日

『チベットのむかしばなし しかばねの物語』が発売となります!

チベットのむかしばなし しかばねの物語』が、9月初旬に発売となります!

チベットの昔話は、日本ではあまりなじみのないものかもしれません。しかし、口承で伝えられ、長く愛されてきたこの昔話は、読めば読むほど、その独特の魅力に引き込まれていく作品です。

お話は、デチュー・サンボという青年が、ある罪を償うために「幸いをもたらすしかばね」を手に入れて、竜樹大師の元へ連れていくことを命じられるところから始まります。

連れてくるだけならかんたん、と思われるかもしれませんが、おしゃべりなしかばねが語るお話がどんなに面白くても、デチュー・サンボは絶対に言葉を発してはいけない、というルールがついているのです。デチュー・サンボがしゃべってしまうと、しかばねは、びゅーんと元いた墓場に戻っていってしまうのです。

しかばねは、たくさんの不思議で面白いお話を語り、案の定、デチュー・サンボは、ついつい、相槌を打ったり、つっこみを入れたりしてしまい、その度にしかばねを逃してしまいます。

このような構成の中で、読者も、デチュー・サンボとともに、しかばねの語るお話を楽しめる、不思議な昔話です。

 

編訳を手掛けてくださった星泉さんは、現在、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の教授で、チベット語・チベット文学の研究と翻訳をされています。星さんのお母さまはチベットの民話収集にいち早く取り組んだ星実千代さんで、幼い頃からチベットの昔話に親しんでこられたそうです。

絵を描いてくださった蔵西さんは、チベットに精通した漫画家・イラストレーターで、チベットの少年僧を描いた『月ときんのシャングリラ』などの作品が知られています。チベット関連書籍の挿絵や装画も数多く手掛けられています。

お二方によって、魅力的な物語を楽しめることはもちろん、チベットの文化や人々の暮らし、考え方にも触れることができる、とても充実した1冊が完成しました。

9月、書店さんでお手にとっていただけますよう、心からお願い申し上げます。

 

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